教員紹介

人間環境学部教員コラム vol.66

2011.01.20 人間環境デザイン学科 杉田 正樹

卒論

4年生の学生にとって、一番の関心事は――就職活動を除けば、――卒論であろう。

 

 

人間環境デザイン学科では、卒論提出が12月8日、発表会は、18日と25日の2日間で行われた。47組、52名が発表した。内容は、論文、制作、実験と多彩である。いずれも、パワーポイントで、10分の説明と、5分の質疑応答である。

 

 

論文組や実験組は仮綴の論文を、また制作組は模型を会場に持ち込んだ。発表の際には、模型を中央に据えるのである。

 

 

発表会には、2年生も出席する。3年から始まるゼミ選びの参考にもなる訳だ。

 

 

私たちの学科では、卒論かゼミ論が必修である。私のゼミからは、今年は、2名が卒論を書いた。彼らには、就職活動に加え、それぞれ、部活の練習や試合があったので、卒論は実際、大変だったであろう。

 

 

アメリカンフットボール部の風間君は、「武士道と鎧(がい)球」(鎧球とはアメフトのこと、鎧(よろい)のような防具を着けるからであろう)、スピードスケート部の生野君は「脳死と臓器移植」について論文を書いた。12月25日の発表会では、スーツを着込み、汗をかきながら、立派に発表したのであった。

 

 

 

 

風間君は、「アメフトをやっていて、武士道はどんな風に役立ちましたか」、という学生の質問に、「自分がケガをして試合に出られなくなったとき、それを運命として受け入れる気持になれたのは武士道のおかげです」、と答え、また、「今、武士道が余り顧みられていないのは何故ですか」、という教師の質問には、「戦前の軍国主義的なナショナリズムに利用されていたという面があって、戦後、批判されたのも一因だと思います」、と応じていた。立派なものだ。

 

 

また、生野君は、臓器移植について、自分はドナーにもレシピエントにもなる気はない、と態度表明をしていたのだが、「あなたの家族が移植を受ければ延命できるというとき、どうしますか」、と学生に問われて、「…正直に言って、まだよく分かりません」、とまことに正直に答えていた。また、「人間の尊厳とは何か、考えれば考えるほど、ますます分からなくなりました」、とも語っていた。深刻な問題に対するこうした誠実さは、貴重だと思う。

 

 

 

 

発表前には、もちろん練習をする。声の出し方、アイコンタクトの取り方、などから始まり、質問者への礼の言い方などなど、いろいろ練習した。10分でしゃべる練習も、ストップウオッチを使ってやった。試合の前には周到な準備が必要である。アスリートの彼らは、即座に理解して頑張った。

 

 

卒論は、大学時代の総仕上げである。うまく進むときもあれば、前に行けないときもある。それを、一歩一歩たゆまず歩むなかで、精神が鍛えられるのだ。一生懸命やれば、それだけ大きな収穫がある。卒論は、二人にとって、一生の宝になるはずである。発表後、彼らの顔が逞しくなったように見えるのは、私の気のせいだけではなさそうである。

 

 

杉田 正樹(人間環境デザイン学科)

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